あなたが何かの商売に関わっていたなら『もしも、お客様の考えが手にとるように理解できれば、今よりもっと売上があがるのに…』『流行しそうな商品が事前にわかっていれば、ライバルに差をつけてもっと早く手を打てたのに…』そんな思いを巡らせたことはありませんか?
今回は、検索キーワードからユーザーの欲求を知ることができる簡単な方法を事例を用いてご紹介します。
目次
検索キーワードって何?
「検索キーワード」とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索サイトを使って情報を検索する時に、登録されているホームページのタイトル名や紹介文の中に含まれている単語のことです。
例えば、「ホームページ制作」という単語を入力すれば、「ホームページ制作」に関する単語が含まれている記事が検索エンジンの評価によりランク付けされた順に、検索結果として表示されます。
検索キーワードにもランクがあるって本当?
ユーザーが検索しているキーワードの数が多いものから順に
『ビッグキーワード』『ミドルキーワード』、『スモールキーワード』と呼ばれています。
このランク付けに関しては、Google AdWordsキーワード プランナーという無料ツールを活用することで、確認することができます。
ここでひとつの疑問が沸いてきませんか?
どうせ狙うなら、たくさんのユーザーが検索しているキーワードである『ビッグキーワード』を狙うべきだと。人気のあるビッグキーワードで1位にでもなれば、アクセス数は爆発的にあがるはずだと。
確かにその通りです。しかし、よく考えてみてください。
なぜ、GoogleやYahoo!JAPANが有料でリスティング広告(検索連動型広告)などのサービスを提供しているのかを。
人気のあるキーワードは当然ながら検索数(表示回数)が多い傾向があるので、その分広告価値があると判断されるのです。人気のあるキーワードの場合、その分競合も多く、上位表示への難易度も高いということ。
ここまでの話を聞いてるあなたは、『もう打つ手がない…』とがっかりするかもしれません。
しかし、もう一度よく考えてみてください。
本当に人気のあるビッグキーワードが、あなたにとって成果につながるキーワードなのかを。
人気のあるキーワード=効果のあるキーワードではない
例えば、「中古マンション」だと月間平均検索ボリュームが74,000回で競合も多く、「中古車」のように、月間平均検索ボリュームが1,000,000回など検索ヒット数が数百万単位もあったり、月間検索数が10万件を超えるようなキーワードでは、ほぼ大手企業が運営している情報ポータルサイトが上位を占めており、検索結果の1ページ目(10位以内)に入れるのは至難の技です。
この結果は単に競合が多いというだけでなく、様々なアプローチによって書かれた雑多なページもたくさん含まれた情報過多で混沌とした状態であるといえます。これではユーザーが本当に知りたい情報にたどり着けないという結果、あなたのサイトに訪問したユーザーも目的が達成できずに去ってしまうという、非常に残念な結果となってしまう可能性が高いのです。
よく考えてみてください。もし、あなたが中古マンションの購入を検討している場合、単純に「中古マンション」というビッグキーワードだけで本当に住みたい物件をピンポイントで探しだせると思いますか?
「中古マンション」といえば○○○。といった大手住宅情報サイトがビッグキーワードでの上位を占めている理由は明らかです。
検索してきたユーザーの期待に応えて成約率を高めるためにも、時間をかけて効果の見込めるキーワード、すなわち、ロングテールキーワードを探し、各ページの内容に合ったキーワードを設定していくことが最も大切なのです。つまり、急がば回れということです。
(※ロングテールキーワード…検索数は少ないが成約率の高いユーザーが集まる複合キーワードをロングテールキーワードという。)
では、さっそくあなたのホームページに掲載されている記事のテーマに沿って、キーワードを絞り込んでみましょう!
キーワード候補の見つけ方
無料ツールで検索ボリュームを調査しよう
Google AdWordsキーワード プランナー
https://adwords.google.co.jp/KeywordPlanner
※利用するにはGoogleアカウントの取得が必要
https://accounts.google.com/SignUp
2~3つの単語を合わせた複合キーワード候補を10個程度用意します。
この中から月間検索ボリューム“1000”前後のキーワードを探してください。
例題のテーマ「パン屋」
ひとことで「パン屋」といってもさまざまなテーマがあります。
例えば、あなたが大阪市内にあるパン屋のオーナーだとしましょう。店舗は大阪市内なのでエリアも大阪まで絞ってみます。
手順その1.「テーマに関連する2つの単語を入力」
手順その2.「検索のカスタマイズを利用する」
検索のカスタマイズカテゴリで、「含めるキーワード」を選択します。
これを利用しないと、的外れなキーワード候補が多く表示されてしまいます。ここでは「パン」と入力しておきます。
手順その3.「候補を取得ボタンをクリックする」
「候補を取得」ボタンをクリックし、青枠のキーワード候補タブを選択すると、入力したキーワードに関連したキーワード候補が表示されます。
青枠のキーワード「パン 大阪」の月間平均検索ボリュームが480回あるのが確認できました。
手順その4.「関連性の高いキーワードを調査する」
さらに赤枠の「関連性の高いキーワード」に注目してみましょう。
最初に設定したキーワード「パン 大阪」が480回なのに対し、単語の入力順が異なるだけのキーワード「大阪 パン」の月間平均検索ボリュームが1,600回もあることに気付きます。
また、その下にあるキーワード「大阪 パン屋」でも1,000回の表示が確認されました。
手順その5.「競合のレベルを確認する」
赤枠の一番右側をご覧いただくと、「競合性」という項目があります。
「高」「中」「低」この3つの項目が競合性のレベルを表す指標となります。
この中から競合が「低」。月間検索ボリュームが“1000”前後のキーワードを探し出してください。
今回の例題では、「大阪 パン」「大阪 パン屋」のキーワードを候補として取り上げてみます。
手順その6.「キーワード候補の競合サイトを調査しよう」
キーワード候補が見つかったら、Google検索をかけてみましょう。
以下の基準に沿って1ページ目に表示されたサイトを全て調査しましょう。
検索結果の上位10件を調査したところ、ほぼ「大阪のパン」に関する口コミランキングといった印象です。飲食系はどうしても口コミや評判で評価されるということがこれをみて判断できると思います。
競合サイトの調査基準
- 01.独自ドメインかそうでないか
- Googleのサイト評価基準のひとつにドメインの取得年数が大きな影響を与えると言われています。
もし競合サイトのドメインが独自ドメインで、かつ取得年数が長い場合は強敵であると判断できます。逆に、新しく取得されたドメインの場合はほとんど影響力はありません。
大手サービス事業社の無料ブログである場合、独自ドメインの取得年数に比例して、ある程度の勝算はあるでしょう。※本項目ではあくまでドメインが与える影響について述べており、無料ブログのドメインが不利ということではありませんのでご注意ください。
- 02.トップページのリンクか、下層ページのリンクか
- トップページのリンクである場合、強豪であると判断できます。
トップページの場合、「サイト全体」で評価されるため、トップページが評価されるためには、充実した良い下層ページが多く含まれている可能性が高いのです。
逆に下層ページのみのランクインであれば、ある特定のキーワードのみが評価されている可能性があるため、ある程度勝算はあります。
- 03.HTML構造について
- 強豪サイトのHTMLソースを参照し、もしタイトルタグやmetaタグ、見出しタグ等適切なタグづけがされていない場合は、SEO対策を意識していない可能性があるため、ある程度の勝算はあるでしょう。
- 04.サイトのページボリュームについて
- 強豪サイトのページ数が自分のサイトと比べて極端に多く、狙っているキーワードに沿った良質なコンテンツが多く存在する場合、勝算は低いかもしれません。
※ここで注目すべきはコンテンツの質です。
※コンテンツの質とは、特定のキーワードに基づき書かれた記事で、かつユーザーの支持が高いものを指します。
逆にページ数が多くても、キーワードに関連したコンテンツの質が低い、もしくは少ない場合、勝算があると判断できるでしょう。
上記5つを基準に強豪に勝てないと判断した場合は、潔くそのキーワードから撤退しましょう。
コンテンツマーケティングとは?
ニッチなスモールキーワードであれば、競合サイトも少なく、SEOの成果も早く上げられるというのはロングテールSEOの鉄則です。
しかし、キーワードを選ぶ際、単純に検索ヒット数や検索数だけで判断するのではなく、ユーザーの求めている情報は何か?を具体的に分析していく必要があります。
その施策として一番有効と考えられているのがコンテンツマーケティング(コンテンツSEO)というWebマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングとは、顧客が必要とする情報を理解し、それを適切にコンテンツ(情報)として提供することで、購買につながる行動を引き起こすための手法である。
つまり、『顧客にとって価値のあるコンテンツを提供すること』が重要である。
では、『顧客にとって価値のあるコンテンツ』とは一体どんなコンテンツなのでしょうか? 御社が提供しているサービスや商品情報でしょうか? 残念ながらどちらも違います。顧客にとって価値のあるコンテンツとは、“顧客が抱える悩みや欲求を解消するもの”にほかなりません。
今回例題で取り上げた「パン 大阪」というキーワードから推測される、顧客の欲求とは「大阪にあるおいしいパン情報」であり、その欲求を解消しているコンテンツが、検索結果上位に表示されている「大阪のおいしいパン屋ランキング」であり、口コミ情報である。
もし、私が大阪にあるパン屋のオーナーであれば、間違いなく口コミで広がるほど美味しいパンを作ることに注力するでしょう。
そうすれば極端な話、ホームページを持たなくても、お客様の好意で口コミ宣伝が広がり、来店者が増え、売上アップへと繋がっていくから。
つまり、上質な商品(ユーザーの欲求に合致したコンテンツ)があり、口コミ(SNSで拡散)で宣伝され、お客様に評価される(ユーザーからも検索エンジンからも認められる)ことがもっとも大切であるということ。
これが弊社で実践しているコンテンツマーケティングの基本的な考え方である。
[検索キーワードからユーザーの欲求を知る方法まとめ]
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