Webメディア自体は黎明期と呼ばれる10数年前から存在していますが、自社の宣伝色を極力排除したユーザーに役立つ情報を提供している企業はまだまだ少ないようです。
近年、自社サイトの活用方法が名刺やパンフレットなどの単なる宣伝ツールではなく、自社のファンを獲得するためのブランディングツールとなる“オウンドメディア”として注目を集めています。
オウンドメディアとは何か?オウンドメディアを作る目的とは?オウンドメディアの成功とは何か?
そこで今回は、オウンドメディアの定義を確認するとともに、すでにメディアとしての成果をあげているオウンドメディアの事例をいくつかご紹介します。
目次
オウンドメディアって何?
オウンドメディアとは、自らが所有するメディアのこと。
おもに企業が消費者に向けて発信するメディアを指します。
自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社サイトなどもすべてオウンドメディアと呼ばれます。企業やサービスなどの独自の情報を発信し、ユーザーとの関係構築や教育の役割を果たします。
なぜ、オウンドメディアを作るのか?
自社の商品を宣伝する際にインターネット広告を利用する場合、即効性はあるものの、ユーザーに今すぐ欲しいと思わせる情報が揃っていないとアクセス数は増えても成果にはつながらず、広告費だけがどんどん消費されていきます。
広告経由(潜在顧客)ではなく、自然検索経由(見込顧客)で何度もサイトに訪問してもらい、ユーザーに愛されるコンテンツ(情報)を発信し続けることで、自社のファンを増やす手段としてオウンドメディアがうまく活用されています。
オウンドメディアの成功は何を指標とするのか?
オウンドメディアを作る目的は企業によりさまざまですが、以下のような項目がひとつの成功指標となります。
PV(ページビュー)によるサイト価値の向上
PVとは、ウェブサイト内の特定のページが開かれた回数を表し、ウェブサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための最も一般的な指標です。 ブラウザにHTML文書(ウェブページ)が1ページ表示されたら1PVとカウントされます。サイトを公開しはじめた頃はPVは少ないですが、サイトのページボリュームが100ページを超えると、検索エンジン経由のアクセスが徐々に増え始めます。
例)月間100万PV達成で広告収入が増えるなど
例)アクセス増加により自社の認知度が向上するなど
会員が増える
オウンドメディアでマイページ機能を利用するために、無料会員登録などで会員数を増やしたり、自社サービスのPRに活用できる無料メルマガへの登録者数が増えることを指標とします。
お問い合わせや資料請求の件数が増える
オウンドメディア経由で自社サービスへの問い合わせや資料請求が増えることを指標とします。この結果、自社の売り上げに貢献するという流れを作ります。
オウンドメディアの活用事例
「保険の教科書」
- 月間セッション数::約512,000(2016年9月時点)
- 運営会社:ファミリーコンサルティング株式会社
- 事業内容:生命保険代理店事業
- 更新頻度:1~2回/週
- 検索エンジンからの流入:約76%(2016年9月時点)
- SNSからの流入:約1.3%(2016年9月時点)
- リファラーからの流入:6.5%(2016年9月時点)
妊娠、出産、引っ越しや入院など、さまざまなライフイベントに合わせた保険に関するお役立ち情報、ノウハウ満載のオウンドメディア。なんと約76%のユーザーが自然検索からの流入という脱広告に成功した事例といえるでしょう。
「ニキペディア」
- 月間セッション数::約828,000(2016年9月時点)
- 運営会社:ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
- 事業内容:化粧品の通信販売事業
- 更新頻度:1~2回/週
- 検索エンジンからの流入:約65%(2016年9月時点)
- SNSからの流入:約0.7%(2016年9月時点)
- リファラーからの流入:16%(2016年9月時点)
ニキビに悩む全ての方のためのニキビケア応援サイト。ニキビに関するさまざまな専門知識からユーザーの悩みを解決することで自社のファンを獲得している好事例といえるでしょう。肌トラブルについて意外と知らない情報がたくさん掲載されているので勉強になります。
「経営ハッカー」
- 月間セッション数::約1,100,000(2016年9月時点)
- 運営会社:freee株式会社
- 事業内容:クラウド会計ソフトfreee(フリー)の企画開発
- 更新頻度:1~2回/週
- 検索エンジンからの流入:約66%(2016年9月時点)
- SNSからの流入:約4.5%(2016年9月時点)
- リファラーからの流入:3.4%(2016年9月時点)
「会計、経理、税務、確定申告、給与計算、起業、会社設立」などの疑問を解決するハウツーメディア。税理士や会計士などの専門家による高品質なコンテンツが特徴で、自社サービスのQ&Aといったアフターフォローツールとしても当メディアがうまく活用されています。
まとめ
オウンドメディアを運用し、良質なコンテンツを蓄積(ストック)していくことで、コンテンツ自体が資産となります。
また、見込み顧客の多いキーワードに対し、検索エンジンで上位表示を実現すれば、見込み顧客を継続的に自社メディアへ導くことも可能なため、結果として広告費の削減につながっていきます。
一つだけ注意したいのが、効果が実感できるまでにそれなりの時間を要するということ。
(1日1記事更新したとして、100記事くらいが目安です。※但し、記事の質が低いと量産しても意味がありません。)
それまでは効果がないと理解したうえで、良質な記事(コンテンツ)をなるべく定期的に発信し続けることが大切です。
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