Webマーケティングの歴史

Webマーケティングの歴史

インターネットというデジタルメディアの誕生から20数年。新しいメディアへの露出を拡大するために、これまでさまざまなWebマーケティング手法が誕生してきました。

1996年のバナー広告の誕生から、2015年に流行しはじめたコンテンツマーケティング、2017に流行しはじめたAI(人工知能)に至るまで、国内におけるWebマーケティングの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

[補足事項]
各見出しにある○○期という表記は区切りをつけることで分かりやすくするために筆者が独自につけた呼称です。一般的な呼称ではございませんのでご注意ください。

Webマーケティングの歴史①[約30秒]
インターネット黎明期 1994~1999年頃

インターネット黎明期

インターネットの誕生

1974年にVint Cerf / Robert Kahnの論文に「Internet(インターネット)」という言葉が初めて登場する。
日本では、1980年代に学術ネットワークとして一部大学や研究所等で使われはじめ、
商用利用については1993年に郵政省から許可され、運用されるようになる。

1994年にはWWW閲覧ソフトNetscape Navigator(旧Mosaic)が登場。
1995年3月、ヤフー・コーポレーションが設立され、本格的にYahoo!サービスが開始。

バナー広告の誕生

1996年1月、ヤフー・コーポレーションが日本のソフトバンク株式会社と共同でヤフー株式会社を設立し、
バナー掲載による広告サービスをはじめたのが国内初のバナー広告だといわれている。

アフィリエイト広告の誕生

1996年に開始された米アマゾンドットコムのアソシエイトプログラムがアフィリエイトプログラムをきっかけに誕生した新しい広告モデル「成果報酬型広告のアフィリエイト」が誕生。

1999年に「Value Commerce」、2000年に「ファンコミュニケーションズ(A8.net)」がサービス開始。
当初は、クリック課金型のアフィリエイトが主流だったが、クリックするだけで課金できてしまいクリック詐欺が横行したため、成果報酬型のアフィリエイトが主流になる。

ネットショッピングの普及

1997年5月、株式会社エム・ディー・エム(現 楽天株式会社)がインターネット・ショッピングモール『楽天市場』のサービスを開始し、ネットショッピングが普及し始める。

モバイル通信の普及

1999年2月、NTTドコモが「iモードサービス」を開始。携帯端末からのインターネット通信が拡大し始める。

Webマーケティングの歴史②[約30秒]
インターネット成長期 2000~2004年頃

インターネット成長期 2000~2004年頃

メルマガ広告の誕生

1997年頃からインターネットの普及によりパソコンによる電子メールユーザーが増えはじめ、「まぐまぐ!」を筆頭に多くのメール広告配信サービスが誕生。

リスティング広告の誕生

2002年リスティング広告(Google Adwords、Overture※現Yahoo!リスティング)誕生。
2002年2月からアメリカ、2002年9月には日本でサービスを開始。
現在もインターネット広告の主流になっている広告で、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに関連した広告を検索結果に掲載でき、クリックされると費用が発生する広告として従来の広告サービスと比較すると少額予算からはじめることができるため、現在も多くの広告主に利用されるまでに成長。

コンテンツ連動型広告の誕生

サイトの内容やユーザーの興味などと連動して広告を掲載でき、クリックされると費用が発生する広告。
Googleアドワーズではディスプレイネットワーク、Yahoo!プロモーション広告ではYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)と呼ばれている。画像だけでなく、テキストで表示されることもある。

Webマーケティングの歴史③[約30秒]
インターネット成熟期 2005年~2009年頃

youtube

2005年2月、米Microsoftが開発した検索サービス「MSN Search」を開始。
同年Yahoo!JAPANも独自の検索エンジン「Yahoo Search Technology(YST)」を採用し、Google、MSNとの3大検索エンジンの時代が始まる。
同じく2005年に無料で利用できる動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」が登場。同年12月より公式にサービスを開始。

ターゲティング広告の誕生

2007年2月、Yahoo! JAPANが行動ターゲティングのネットワーク配信サービスを開始。
広告の対象となる顧客の行動履歴を元に、顧客の興味関心を推測し、ターゲットを絞ってインターネット広告配信を行う手法で、追跡型広告(ついせきがたこうこく)やリターゲティング広告とも呼ばれる。

2008年、ヤフーとオーバーチュアが、新しい広告システム「インタレストマッチ」を開始。
ユーザーが閲覧中のサイトの内容やユーザーの過去のウェブ利用履歴から配信したり、
都道府県など配信地域や性別・年代の絞込み、配信スケジュールの時間指定による配信が可能に。

アドネットワークの登場

2008年頃から登場し始めた広告配信手法。広告媒体となるWebサイトを集約し「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のWebサイト上で広告を配信する仕組み。
アドネットワークが登場するまでは、広告主が各媒体に直接広告掲載を依頼していた。

ソーシャルネットワークの登場

2008年4月、twitterが日本語版サイトの提供を開始。
140文字以内の短文の投稿を共有する「ツイート」が流行しはじめる。
2008年5月、Facebookが日本語版サイトの提供を開始。
友人や家族と自分の情報を共有しながら、インターネット上でコミュニケーションをとることができる。
国内のSNSではmixiやGREEなどが主流の時代。

Webマーケティングの歴史④[約3分30秒]
インターネット変革期 2010年~2017年

2010年頃 特定の広告枠におけるインプレッション(Webページに表示される広告の掲載回数)を入札方式によって売買する方式が誕生。
広告枠の取引市場化・リアルタイム入札(RTB)が進む。

DSP(Demand-Side Platform)の登場

DSP広告とは、Demand-Side Platformの略称で、広告主側の為に用意された広告配信プラットフォームのこと。
DSPを通じてメディア広告枠に配信する広告手法のことを「DSP広告」と呼ぶ。
ほとんどのDSP媒体は、※CPM(インプレッション)課金を採用している。
※表示1000回に対する単価で課金する方式

多種多様な広告手法が登場するにつれ、コンバージョンに至ったアクションそれぞれの貢献度を評価する「アトリビューション分析」という考え方が広がりはじめる。

2012年頃~動画広告、インタラクティブ(体験型)広告の登場。

動画や音声、体験型ゲームなどを利用し、インパクトのある訴求が可能な広告が登場。
静止画だけではサービスの価値を伝えることが難しい商材に有効な広告として広がり始める。

2013年頃~DMP(Data Management Platform)の登場。

DMP(Data Management Platform)とは、インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。
ユーザの状態を把握して、適切な広告メッセージを送ったり、最適なタイミングで広告配信をすることができる。
オープンDMP:さまざまなWebサイトでの行動履歴やデモグラフィック情報などが蓄積されたものを指す。
プライベートDMP:自社との取引や会員登録、サイト内での行動履歴など広告主が保有するデータ基盤を指す。

2014年頃~ネイティブアド(ネイティブ広告)、オウンドメディア(自社広告)の登場。

ネイティブアドとは「広告掲載面に広告を自然に溶け込ませることで、“ユーザーにコンテンツの一部として見てもらう”ことを目的とした広告」のこと。
代表的な広告フォーマットとして、記事広告やインフィード広告などが存在する。

記事広告…商品、サービスのさまざまな魅力を読ませる文章と、写真によって豊富に伝える広告要素のある記事コンテンツのこと。例えば、お金を払い、有名人のブログで商品を紹介してもらうなど。
インフォード広告…Webサイトやアプリ内のコンテンツ間に表示される広告のこと。FacebookやTwitterなどのSNSや、キュレーションメディア、ニュースアプリなどでよく利用されている。

オウンドメディア(自社広告)の登場

企業が自社で所有するWebサイトをひとつのメディアとして活用すること。アーンドメディアやペイドメディアと共に、トリプルメディアと言われている。
この3つのメディアを有効に活用することで相乗効果が期待できる。

Webマーケティングの歴史④ インターネット変革期

トリプルメディアとは?

■オウンドメディア
企業やサービスなどの独自の情報を発信し、ユーザーとの関係構築や教育の役割を果たす。

■ペイドメディア
広告費を払って掲載する従来のメディアのこと。オウンドメディアやアーンドメディアに送客し認知をうながす。

■アーンドメディア
FacebookやTwitterなどのSNSを活用し、オウンドメディアのオリジナル情報を拡散することで媒体の認知度を向上させる役割を果たす。

2015年頃~コンテンツマーケティングの流行

コンテンツマーケティングとは、顧客が必要とする情報を理解し、それを適切にコンテンツ(情報)として提供することで、購買につながる行動を引き起こすためのWebマーケティングの手法のひとつ。
ユーザーは得られる情報から商品特性を学び、よく知ることでニーズが生まれ、自ら見込み顧客になり、顧客へと変化していく。Googleの検索アルゴリズムの改革により、コンテンツマーケティングというWebマーケティング用語が流行りはじめる

2016年頃~マーケティングオートメーションの流行

マーケティングオートメーション(MAとも呼ぶ)とは、顧客一人ひとりの興味関心に応じたコミュニケーションを取ることで、顧客との長期的な関係を構築することができるプラットフォームのこと。
たとえば、キャンペーンやメール配信などで収集したユーザー情報をデータベースで管理し、ユーザーの行動履歴から最適な営業手法を自動で選択し、実行するシステムなどをマーケティングオートメーションツール(MAツール)などと呼ぶ。

2017年頃~AI(人工知能)の流行

AI(artificial intelligence)とは、人間の脳と同じメカニズムで人工的に作られた知能を持つコンピュータのことで、人工知能と呼ばれる。

AIブームは1950年代の第一次AIブーム、1980年代の第二次AIブームと盛り上がっては衰退するが、2016年にGoogle傘下のディープマインド社が開発した囲碁プログラム「アルファ碁」がプロ棋士に勝利したことで一気に脚光を浴びる。

これにより、Googleが提供するWebサービス(検索・広告・解析)をはじめ、今後はAIを搭載したWebマーケティングツールが数多く誕生することになる。

まとめ

インターネットというデジタル媒体が誕生してから、広告宣伝手段として様々なWebマーケティング手法が誕生してきました。技術の進歩により、ターゲットにピンポイントに情報を伝達することができるようになったと同時に、リアルな接客同様、ユーザーに対し、よりきめ細やかな対応が必要になってきたのも確かです。Webマーケティングはあくまで顧客とつながるための手段に過ぎず、顧客とつながった後のフォローは結局、人によるコミュニケーション次第なのです。

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目次

  • 【1日目】Web集客をはじめる前に知っておくべきこと
  • 【2日目】Web集客で成果をあげるターゲットの決め方
  • 【3日目】Web集客で成果をあげるWebコンテンツの作り方
  • 【4日目】Web集客で成果をあげるWebライティングの基本
  • 【最終日】Web集客で成果をあげるWeb戦略の基本

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