2015年8月10日に発表された経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」の2015年6月分の調査結果をみると、2015年6月の国内の広告業全体における売上高は前年同月比でマイナス0.4%と減少傾向にあるなか、業務種類5部門(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネット広告)では前回月に続き新聞、雑誌、テレビ、ラジオと4マスすべてがマイナスで、インターネット広告のみがプラスを計上。
この背景には、スマートフォンやタブレットによるネット利用者の増加が大きな影響を与えており、これらのデータはインターネットの普及率向上に伴い、今後の広告展開においてWebマーケティングの重要性が年々増していることを表す重要な指標となります。
そこで今回は、中小企業経営者が事業の売上を上げるためにWebマーケティングをどう活用していけば良いのか、Webマーケティングの基本についてご紹介します。
目次
Webマーケティングとは何か?
Webマーケティングとはとは、インターネット上で行うマーケティング活動全般のこと。
Webマーケティングを活用することでどんな効果が得られるのか?
Webマーケティングを活用することで情報が可視化され、費用対効果の高い広告戦略が可能になります。
Webマーケティングの主な流れについて
Webマーケティングは大きく3つのステップで構成されます。
- ホームページへのアクセスを増やし、見込み顧客を増やすこと
- 見込み顧客を育ててコンバージョン率(見積依頼や商品購入)を上げること
- 顧客との良好な関係を継続し、リピーターになってもらうこと
STEP1.ホームページへのアクセスを増やし、見込み顧客を増やす方法とは?
検索エンジン経由で集客する
ホームページを開設しただけではユーザーは増えないので、Webマーケティングの手段として、まず自社の商品やサービスに興味のありそうなユーザーに対し宣伝を行っていきます。
検索エンジン経由で指定したホームページへ訪れてくれるよう工夫することを検索エンジン対策(SEO)と言います。
[主な集客施策をご紹介]
リスティング広告(検索連動型広告・PPC広告)からの集客
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジン結果に連動して表示される広告のこと。検索結果に表示されている広告バナーやテキストリンクをクリックした場合にのみ料金が発生することから、「クリック課金型」PPC広告(Pay Per Click)ともよばれています。
優良なコンテンツ(情報)発信による集客
顧客が必要とする情報を理解し、それを適切にコンテンツとして提供することで、購買につながる行動を引き起こすための手法をコンテンツマーケティングと言います。
コンテンツの信頼性、独自性、専門性が重要であり、多くのユーザーに共有されることでコンテンツとしての質を高めていきます。検索エンジンと顧客の両方からの評価を得ることで、より成約率の高い見込み顧客を集めることができるのがコンテンツマーケティングの強み。ただし、速効性がないためリスティング広告と併用しながら、長期戦略として継続してコンテンツ作りに取り組む必要があります。
動画広告・動画活用による集客
YouTubeなどの動画配信サービスを活用した動画広告(以前のインストリーム動画広告)で、
「映像」「音声」「文字」を使い商品やサービスの魅力を効果的にユーザーに伝えることが可能。CPV課金(広告視聴単価課金)方式の場合、広告がスキップされたり、途中でブラウザを閉じてしまった場合など、広告の視聴が中断された場合は課金されない点がPPC広告とは異なります。
サーチターゲティング広告による集客
サーチターゲティング広告とは、ユーザーが過去に特定のキーワードで検索した際に、そのキーワードの検索履歴をもとに広告が配信されるターゲティング型の広告です。
特定のキーワードで検索しているニーズの顕在化したユーザにアプローチできる手法のため、費用対効果も比較的高い傾向にあります。
ソーシャル広告による集客
ソーシャル広告とは、FacebookやTwitter、LINEなどのソーシャルメディア内に表示される広告のこと。ソーシャルグラフと呼ばれる個人のつながりを利用して友人や知人のアクションを通じて広告が紹介される仕組み。
エンゲージメント課金、クリック課金、インプレッション課金が主流で、1成果あたり1円~200円前後と比較的低価格で利用できる。
STEP2.見込み顧客を育ててコンバージョン率(見積依頼や商品購入)を上げるには?
見込み顧客から信頼を獲得すること
ホームページにアクセスしてきたユーザーは、あなたのホームページを回覧し、ある程度の情報を収集しています。この段階での顧客心理としては、初対面の状態と同じです。まだあなたの会社との接点がないため、信頼関係がまったく築けていない状態です。よほどの急用でない限り、今すぐあなたの会社からその商品やサービスの購入を決断するひとは少ないでしょう。
では、どうすれば見込み顧客からの信頼を得ることができるのか?
それは、商品やサービス以外の「情報」を伝えることです。あなたの会社はどんな会社で、どんな考え方を持っているのか?どんなお客様から支持されているのか?といった情報です。
例えば、商品と価格だけではなく、お客様の声や専門家の意見などを掲載することで、顧客メリットについて客観的に判断することができるようになり、お問い合わせや資料請求、会員登録やサンプル請求など、あなたの会社と繋がるきっかけを作ります。
見込み顧客とコミュニケーションを取るためのリストを収集することが、今後信頼を得るためのファーストステップとなります。見込み顧客のリスト収集に成功すれば、定期的にメルマガを配信することで接触回数を増やし、時間をかけて徐々に信頼を獲得していきます。
ただし、特定電子メール法では、事前に同意のあったメールアドレスにしかメルマガを送信してはいけない「オプトイン方式」 が前提となるため、リスト収集時にはその旨を明記しておきましょう。
コンバージョン率(成約率)をあげるためには?
商品の特徴、使い方などの詳細な情報をあらためて検討中の見込み顧客に伝えることで、見込み顧客の不安を解消し、信頼を獲得しながら成約へと繋げます。
ただし、商品を提案している段階では、売り込まれないように警戒する顧客心理が働き、あまり内容を憶えていないケースが多いので注意が必要です。新商品開発に取り組むことに至った経緯や作り手の想い等をブログやメルマガなどで配信することも信頼を得るための有効な手段です。
STEP3 .顧客との良好な関係を継続し、リピーターになってもらうには?
一度商品を購入した既存顧客に対し、継続して利用してもらうためにはどうすれば良いのか? 例えば、日頃の感謝の気持ちをメールやDMで送ったり、プレゼント進呈という形で表現するなど、既存顧客の特典として特別対応すること。また、リピーター特典として、新商品の先行予約や割引券の送付、特別サービスの提供等が考えられます。この特別感こそがリピーター、即ちファンを増やすための有効な手段となるでしょう。
また、アクセス解析ツールを活用することで、「誰が」「いつ」「どこから」「何を求めてやってきたのか?」という顧客の欲求を可視化することで、より顧客が求めている情報を提供できるホームページへと作りかえることができるようになります。
最後に。ここで紹介したWebマーケティング手法はあくまで一例に過ぎず、全てではありません。
またバーチャルな世界でも、インターネットを活用した手法ということだけで、結局最後は人と人とのコミュニケーションが決め手となります。自社の商品やサービスを購入してもらうため、“いかにおもてなしすることができるのか”が重要なのです。
[経営者が売上を上げるために押さえておくべきWebマーケティングの基本まとめ]
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